ウェブリニューアルで最初に考えるべきこと

結論:ウェブリニューアルは「作る前」に8割決まる

ウェブリニューアルの成否は、初期段階で何を定義し、それをどこまでを関係者間で共有できたかによって大きく左右されます。実務上、要件定義や判断整理に全体工数の20~30%を割けていない案件ほど、後工程での手戻りや妥協が発生しやすくなります。

ケイツー・インタラクティブは、ウェブリニューアルにおいて、制作に入る前に「目的」「範囲」「優先順位」「前提条件」を整理し、アクセシビリティを含めた判断軸を揃える支援を行っています。詳しくはケイツー・インタラクティブの事業案内をご覧ください。

この相談ページについて

  • 対象

    ウェブサイトの新規制作やリニューアルにあたり、目的や対応範囲、判断の前提整理に迷っている発注者・Web担当者向けの相談窓口です。

  • 解決できること

    制作や実装に入る前段階で、目的・範囲・優先順位・判断軸を整理し、関係者間で共有可能な状態にします。

  • 担当範囲

    要件整理、構造整理、判断材料の提示までを基本とし、実制作や実装作業そのものは原則として含みません。

ウェブリニューアルで失敗が起きる理由

  • 判断が後工程に持ち越される

    制作に着手してから新たに決めごとが発生すると、設計やデザインのやり直しが必要になり、工数が1.5~2倍に増えるケースが少なくありません。

  • 目的が曖昧なまま制作が始まる

    目的が共有されていない場合、関係者ごとに判断基準が異なり、途中で方向修正が繰り返されます。

  • アクセシビリティを後工程で考える

    アクセシビリティ対応を後工程で追加しようとすると、設計やデザインの前提条件との矛盾が生じ、対応範囲が難しくなるケースがあります。

ウェブリニューアルで最初に決める判断の軸

  • なぜリニューアルするのか(目的)

    現状の課題を解消するためなのか、将来を見据えて構造や運用を見直すのかによって、取るべき手段や優先順位は大きく変わります。

  • 誰のためのサイトか(利用者特性)

    想定する利用者や利用環境を明確にしないまま進めると、設計や表現の判断軸が場当たり的になります。

  • 要件定義をどこまでやるか

    ページや機能の洗い出しだけでなく、判断基準や前提条件をどこまで言語化するかを決める必要があります。

  • アクセシビリティをどこまで考えるか

    対応の有無ではなく、対象範囲や基準をどの段階で、どこまで決めるかが重要になります。

  • 運用前提か、完成前提か

    公開後に更新・改善していくのか、一定期間そのまま使うのかによって、構造や設計の考え方は変わります。

要件定義は、ウェブリニューアルのどこに位置づくか

要件定義は、ページや機能を決める作業ではなく、制作や運用に関わる判断の軸を揃える工程です。ここで決めた内容が、その後の設計・制作・運用の判断基準になります。

  • 要件定義で決めること

    要件定義では、目的・範囲・優先順位・前提条件といった判断の軸を設定します。これにより、制作中や運用時の迷いを減らし、関係者間で同じ基準を共有できる状態を作ります。

  • 要件定義で決めないこと

    要件定義の段階では、デザインの細部や具体的な表現方法、実装手段の選定までを決め切る必要はありません。余白を残すことで、後の工程の柔軟性を保ちます。

  • 要件定義を省いた場合に起きやすいこと

    要件定義を行わないまま制作に進むと、判断の軸が共有されない状態で作業が進み、途中での修正が繰り返されてしまいます。結果として、完成後に「思っていたものと違う」というズレが生じます。

要件定義の考え方や実務上の位置づけについては、要件定義における担当者の業務範囲(Web改善ラボ|要件定義シリーズ)で詳しく解説しています。

アクセシビリティは「後の工程」ではなく「前提条件」

アクセシビリティは、ウェブ公開後に追加する調整項目ではなく、設計や制作の前提条件として位置づけます。最初に考慮することで、設計や制作の途中で判断が食い違いにくくなり、後の工程での無理な修正や妥協を避けやすくなります。

  • なぜ後から対応すると破綻しやすいか

    後工程でアクセシビリティ対応を行おうとすると、すでに決まった構造や表現と矛盾が生じやすくなります。結果として、対応範囲を限定せざるを得ず、「できるところだけ対応する」状態になってしまいます。

  • リニューアル時に最低限決めるべき範囲

    すべてに一律対応するかどうかではなく、どのページや機能を対象とするかを先に決めることも重要です。対象範囲を明確にすることで、設計や制作時の判断がしやすくなります。

  • WCAG・JISをどう扱うか(深掘りしない)

    WCAGやJISは、すべてを網羅するためのチェックリストではなく、判断の基準として参照するものとして扱います。どの水準を目安にするかを決めておくことで、対応の過不足を防ぐことができます。

アクセシビリティの考え方や対応範囲ついては、アクセシビリティ対応の基本と実践ポイント(Web改善ラボ|アクセシビリティ連載)で詳しく解説しています。

この考え方が向いているケース/向いていないケース

向いているケース

  • 公共性・社会性が高く、説明責任や配慮が求められる
  • 数年単位での運用・改善を前提としている
  • 社内外の関係者が多く、判断基準を揃える必要がある
  • 制作に入る前に、目的や前提を整理しておきたい

向いていないケース

  • 見た目やインパクトを最優先したい
  • 短期間のキャンペーンや特設サイト
  • 判断や設計を制作会社にすべて委ねたい

この判断を、実務に落とすとこうなります

  • 要件定義・構造整理

    リニューアルの目的や前提条件を整理し、ページ構成や機能の判断軸を言語化します。制作に入る前段階で、関係者間の認識を揃えるための工程です。
    ゼロベース要件整理 - Webサイトの発注支援サービス - | サービス案内

  • アクセシビリティ設計

    アクセシビリティを後付けの対応ではなく、設計段階の前提条件として整理します。対応範囲や基準を先に決めることで、制作時の判断を安定させます。
    アクセシビリティ対応 | 事業案内

  • プロトタイプによる合意形成

    文章や構成図だけでは共有しづらい判断を、画面イメージやプロトタイプを使って可視化します。関係者間の合意を取りながら進めるための工程です。
    WEBサイト制作 | 事業案内

  • 制作会社との協業・レビュー

    制作会社に依頼した後も、判断の軸がずれないよう設計内容をレビューします。発注者側の立場で進行を支援します。
    コンサルティング | 事業案内

判断の背景・具体例

要件定義シリーズ

アクセシビリティ連載

次に考えること

このページの内容を踏まえ、次の点を整理しておくことで、リニューアルや改善の検討が進めやすくなります。

社内で整理しておきたいポイント

  • なぜ今、リニューアルや改善が必要なのか
  • 誰のためのサイトなのか(利用者・利用環境)
  • どこまでを今回の対象範囲とするのか
  • 判断に迷ったとき、何を基準に決めたいか

相談前に決めておくとよいこと

  • 制作に入る前に、どこまで整理したいか
  • 社内で合意が取れている点/取れていない点
  • アクセシビリティや運用について、最低限守りたい前提条件

サービス・相談へのリンク

ここで整理した内容をもとに、要件定義や構造整理、アクセシビリティ設計といった工程に進むことで、制作段階での手戻りや判断の迷いを減らすことができます。各工程の進め方については、前述の事業案内ページで確認できます。

よくある質問

まだ目的や要件が固まっていなくても相談できますか?

はい。むしろ、目的や前提が整理できていない段階で相談いただくことで、判断軸や優先順位を整理しやすくなります。制作に入る前の検討段階を対象としています。

すでに制作会社が決まっている場合でも相談できますか?

可能です、要件整理やアクセシビリティ設計、判断内容のレビューなど、発注者側の立場で進行を支援します。制作会社との役割分担を前提に関わるケースもあります。